脚本・監督:チャン・チー
撮影:ファン・イー 視覚効果:リウ・ヤオ
音楽:ジャオ・ハオハイ 美術:ポン・ボー
共同脚本:ウー・ビヨウ 編集:シュー・ダドオ
出演:チュー・ホンギャン、シューアン・リン、ソン・ソン、ソン・ツェンリン、チュー・チィハオ、イン・ツィーホン、ウェン・ジョンシュエ
日本語字幕:Y2C WORKS(本多由枝)
宣伝:Playtime (斉藤陽)・松村厚・滝澤令央・河合のび
配給:Cinemago
作品データ:2019年/112分/中国/映倫G
原題『海洋動物』/英題『In Search of Echo』
(C)Ningbo Henbulihai Film Productions/Cinemago
NEWS
2024年1月30日
2024年1月26日
2024年01月25日
2024年01月24日
2024年01月21日
INTRODUCTION
中国新世代のチャン・チー監督が驚嘆の映像美で描写するアート・サスペンス
姿を消した妻の故郷の港町を訪れた男が遭遇する不可思議な事件の数々
1987年生まれで本作が長編デビュー作となる中国の新たな才能チャン・チー監督が、卓越した映像感覚と比類なきイマジネーションで描き出す幻惑の映画体験。
原題の「海洋動物(かいようどうぶつ)」が示すとおり、作中には海の生物をメタファーとした様々な演出が登場。いずれもチー監督自身が生まれ育った港町がモチーフとなっているが、それらの海の生き物たちが作中において何を意図しているのかを類推しながら楽しむことができるのも、本作の魅力の一つとなっている。
本作はまた、第41回モスクワ国際映画祭審査員特別賞(シルバー・ジョージ受賞)と、第18回イスタンブール国際インディペンデント映画祭批評家協会賞(メインコンペティション)を受賞。また映像表現も高く評価され、第27回カメライメージ映画祭では、ゴールデンフロッグ賞・撮影監督デビュー部門2部門ノミネートを果たしている。
STORY
仕事のオファーがほとんどない俳優の朱(チュウ)は、愛する妻と最初に出会った島で妻の行方を探す。
閑散期で観光客のいない島の光景を愛用のカメラでフィルムに焼き付ける朱。さまざまな島民との出会い、ホテルのオーナーと親しくなり、小学校の先生に惹かれ、地元のダンスクラブのマネージャーと恋に落ちる。
REVIEW
森直人(映画評論家)
「追憶の劇だから舞台はほの暗く、センチメンタルであって、リアリスティックではない」──まさに本作はこのセオリーを大胆に膨張させ、追憶と現実と夢が混ざり合う、詩的に脚色された寓話的世界だ。 さまざまなアイテムやメタファーが映画空間を漂い、バロック的ともいえる視覚的/感覚的愉楽へと我々を誘っていく。
ヴァレリー・キチン (ロシア新聞:Rossiyskaya Gazeta)
中国映画界に、新たなミケランジェロ・アントニオーニが現れた。 繊細な色彩設計が施された映像、それを包み込むような心地よい音響。
チャン・チー監督はまさしく芸術家であり、彼の映画はあまりにも美しい。
J. アンドリュー・シュレッカー(アメリカ人作家 :Letterboxd)
美術に散りばめられた海の生命たち、あらゆる姿を露わにする青と海の色彩は、観る者の記憶に強く刻まれる。また研ぎ澄まされたカメラワーク、物悲しさに満ちた照明は、観る者の心を決して飽きさせない。 懐中にしまいたくなるほどに小さく繊細な、本作の世界観を本当に愛している。作り手の《形なきもの》への計り知れない想いは、使い古された映画ジャンルに新たな命を吹き込んでいる。
アナスタシア・セドバ(ウクライナ:映画祭プログラマー)
信じられないほど詩的で、美として完成されている映画だ。 いつ何時も時空を引き裂くフラッシュバックや、過去から切り抜かれた言葉の断片が、主人公の少年時代の空想、そして現在の妄執と混ざり合う。物語という《線》などでは語り尽くせない構成は《海で生きるもの》の生に想いを馳せる時を人々に託してくれる。 人間の内に沈む暗き欲望と孤独を詩編へと紡ぎ上げる手腕は、ラース・フォン・トリアー 、デイヴィッド・リンチのレベルにまで達している。
ルーヴェン・リンナーツ(映画評論家:Asian Movie Pulse)
人間の記憶という海で混濁していく夢と現実を「物語」という形式で表現するのは、至難の業ではあるが成し遂げるに値する仕事でもある。
野心的過ぎるとすら感じるチャン・チー監督は、ついに人々を強く惹きつけるテーマと映像美だけでなく、「自分は何者なのか、あるいは何者となってしまったのか」の答えを探す旅路という姿形をした主人公の記憶の《海》へと観客を誘う映画を作り上げた。
DIRECTOR
【PROFILE】
1987年、中国浙江省寧波生まれ。ノッティンガム大学国際コミュニケーション学科卒業、北京電影学院演出科修了。舞台演出家、舞台美術家としても活動。2010年から2015年まではCMや短編映画などを手がけ、2016年に中編『Edge Of Suspect』でデビュー。
2019年に長編デビュー作『海街奇譚』にてモスクワ国際映画祭審査員特別賞を受賞。2021年の長編第2作『ANNULAR ECLIPSE』は、釡山国際映画祭に出品された。
学生時代から演劇を学んでおり、演出を手がけた最新の舞台は、2021年に上演された戯曲「三字奇譚」。同作品は浙江省文化芸術基金の資金提供対象に選ばれている。
【MESSAGE FROM FILMMAKER】
難解な映画だと思われるかもしれない。観た者の中には“解らない”と述べる人もいるかもしれない。しかし、映画『海街奇譚:In Search of Echo』は、私個人についての物語だ。だからこそ、この映画にも、“あなた個人”がいるのではないか。
チャン・チー監督
THEATER
《関東地域》
【東京】
2024年1月20日(土)~終了 シアター・イメージフォーラム
2024年5月25日(土)〜終了 Morc阿佐ヶ谷
2024年8月24日(土)〜終了 高円寺シアターバッカス
【神奈川】
2024年3月9日(土)〜終了 川崎市アートセンター
2024年4月20日(土)〜終了 横浜ジャック&ベティ
2024年6月17日(月)~終了 横浜シネマノヴェチェント
《京阪神地域》
《東海地域》
《北海道地域》
【北海道】
2024年9月20日(金)のみ上映 シアターキノ