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監督・脚本:ビー・ガン

撮影:ワン・ティアンシン

編集:クィン・ヤナン 

音楽:リン・チャン

エグゼクティブプロデューサー:エトワード・ディン

プロデューサー:シェン・ヤン、ワン・ジジアン、シャン・ゾーロン、リ・ヅァオユ

 

出演:チェン・ヨンゾン、ヅァオ・ダクィン、ルオ・フェイヤン、シエ・リクサン、ゼン・シュアイ、クィン・グァンクィアン、ユ・シシュ、グゥオ・ユエ、リュ・リンヤン、ヤン・ヅォファ

日本語字幕:五十嵐陽子/監修:河合彩子|宣伝:Playtime (斉藤陽)、菅野祐治|配給:リアリーライクフィルムズ + ドリームキッド|提供:ドリームキッド +Cinomago + miramiru +リアリーライクフィルムズ

 

2015年/中国/カラー/DCP110分/G/原題:路边野餐

 

(C) Blackfin (Beijing) Culture & MediaCo.,Ltd – Heaven Pictures(Beijing)TheMovie Co.,Ltd - Edward DING – BI Gan / ReallyLikeFilms

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​INTRODUCTION

『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』で鮮烈の日本初上陸を果たしたビー・ガン監督が、その名を全世界に知らしめた驚愕のデビュー作が『凱里ブルース』。

自己資金と借金、周囲の援助で完成へと漕ぎ着けた本作は、ロカルノ国際映画祭でお披露目されるや、各国のメディアやジャーナリストから驚きと称賛を持って向かい入れられる。その時の興奮を、後に新華社通信は、「過去五年で一番優れた中国国産映画」「中国映画を五十年進歩させる」と絶賛されたと伝えている。『ロングデイズ・ジャーニー〜』でも展開されたノーカットのロングショットは、ここでも40分間にわたって展開されており、主人公の魂の彷徨が哀愁と夢幻の世界の中に綴られている。ビー・ガン独自のスタイルが、このデビュー作で既に確立されていることに、観客は驚嘆することだろう。

STORY

エキゾチックな亜熱帯、貴州省の霧と湿気に包まれた凱里市の小さな診療所に身を置いて、老齢の女医と幽霊のように暮らすチェン。彼が刑期を終えてこの地に帰還したときには、彼の帰りを待っていたはずの妻はこの世になく、亡き母のイメージとともに、チェンの心に影を落としていた。さらにしばらくして、可愛がっていた甥も弟の策略でどこかへと連れ去られてしまう。チェンは甥を連れ戻す為に、また女医のかつての恋人に想い出の品を届ける為に旅に出る。しかし彼が辿り着いたのは、“ダンマイ"という名の、過去の記憶と現実と夢が混在する、不思議な街だった──。

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REVIEW

矢野優 (「新潮」編集長)

このデビュー作一篇で「凱里」は私たちにとって聖地となる。スクリーンから殺到する圧倒的な才能に全身を貫かれた。

深田晃司 (映画監督)

「ロングデイズ・ジャーニー」が艶やかなメイクを拭いとりすっぴんになったような。「凱里ブルース」はそれゆえに作家の力強い個性と野心がむき出しで、地肌の息遣いに魅せられた。詩人の歩みに連れられ世界が拡がる快感!

ポン・ジュノ(映画監督)

ビー・ガンはこの先20年間の映画界を牽引する監督の一人である。フィルムノワールの亡霊、ウォン・カーウァイの不機嫌なブルーズ、『めまい』とタルコフスキーの時間の洞窟、ホウ・シャオシェンの長い出会い、アピチャッポンの神秘的な夢想。それらの光源は、ビーの映画館の鏡の間で反射する。

ジョナサン・デミ(映画監督・故人)

もしも無鉄砲な初監督が、新作のほぼ半分近く、ある場所から別の場所(各々非常に離れた場所)へとカットしない決断を勇気をもってくだしたとしたら? その代わりに、めちゃくちゃ超越的な1時間半のワンテイクをあえて強行する選択をしたら?その答えは十中八九、このビー・ガンの傑作である『凱里ブルース』になるでしょう。ワンテイクは、記憶に残る映像体験のつかの間の投影なのです。

中野裕之(映画監督・映像作家)

どう見てもカメラマン一人しかバイクには乗れないしそれがとても謎。だから中毒性があるんだよなこの人の映画って。物語そのものよりも生きている映画を見せられてハラハラする感じ。

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DIRECTOR

【PROFILE】

1989年生まれ、中国・貴州省凱里市出身。映画監督・脚本家・詩人。

2013年の短編作品「金剛經(Diamond Sutra)」が第19回香港IFVA賞ニューフェース部門特別賞を受賞。また2015年には『凱里ブルース(原題:路邊野餐)』で長編監督デビュー。同作は国際的にも高い評価を獲得し、第68回ロカルノ国際映画祭新進監督賞、仏・第37回ナント三大陸映画祭熱気球賞、台湾・第52回金馬獎最優秀新人監督賞を受賞。日本でも4月18日から渋谷シアター・イメージフォーラムでの劇場公開が決定している。

【MESSAGE FROM FILMMAKER】

映画は劇場でそれを観終えて、劇場の暗闇から抜け出た瞬間に“永遠なるもの”を自分自身の“永遠なるもの”として持ち帰ることができる。映画が詩よりも人々の記憶や心に残る時間が長いのは、その点にあります。そしてそれが、僕は映画を撮り続けている理由の一つといっても過言ではない。

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ビー・ガン
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