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脚本・撮影・監督:ニコ・マンサーノ

編集:アラン・オヘップ 音響:エリック・オルドリー
音楽:ニカ・エリア、ニコ・マンサーノ、クリスチャン・ミハレス
劇中アニメーション:アンドレイナ・ヴァジェス
エグゼクティブ・プロデューサー:アラン・オヘップ、リカルド・エスピノーザ、ニコ・マンサーノ

製作:リンテルナ・スタジオ

 

出演:へスース・ヌネス、ガブリエル・アグエロエ、ステファニア・キハダ、アーヴィング・コロネル

日本語字幕:原田りえ
翻訳協力:ワイズ・インフィニティ
宣伝デザイン:RedRooster 下山隆
宣伝:河合のび、滝澤令央、松野貴則、松村厚(京阪神地域)
協力:神奈川大学外国語学部スペイン語学科、在日ベネズエラ大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京、江戸玉川屋
配給:Cinemago

 

作品データ:2021/ベネズエラ/スペイン語/78分/映倫G
原題『Yo y las bestias』
(C)Bendita films/Cinemago

『博士の綺奏曲』日本版ポスター画像(0927金・20時解禁).jpg

NEWS

2024年8月14日

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​INTRODUCTION

史上最高のベネズエラ映画、日本へ。
その音楽は《火山のふもと》で奏でられる

人も空気も澱み続ける日常を生きる男が、創作の衝動とともに現れた謎の存在「ビースト」と音楽を奏で、孤高のアルバム制作を試みる姿を映し出した『博士の綺奏曲』。

本作が長編監督デビュー作となるニコ・マンサーノは、経済危機・大規模停電により国外亡命者が続出し、混乱状態に陥った2016年当時のベネズエラを背景に、本作の脚本を執筆。

アートディレクター・作曲家としての顔も持つマンサーノは『Al Pie del Volcán (火山のふもと)』をはじめ劇中曲すべても自ら制作。政治汚職やハイパーインフレなどベネズエラの情勢が悪化の一途をたどる中、5年間もの年月をかけて2021年に映画を完成させた。

カントリー、オルタナティブ・ロック調の流麗なメロディと、画面に広がるペールトーンのビジュアルによって独特の世界観を構築した本作は、ロカルノ国際映画祭2023オープン・ドアへ選出され、ベネズエラ映画祭では驚異の6冠に輝くなど、世界各地の映画祭で《史上最高のベネズエラ映画》として高い評価を得ている。

STORY

研究所に勤めながらも、オルタナティヴ・ロックバンド「ロス・ピジャミスタス」のボーカルを務めていたアンドレス(へスース・ヌネス)は、汚職にまみれた政権が主催する音楽祭にメンバーたちが無断で参加しようとしていたのを知り、脱退を決意する。バンドを離れ、ソロでの活動を開始したアンドレスのもとに現れた、顔なき奏者「ビースト」たち。混乱と貧困が日常を蝕んでいくベネズエラで、アンドレスはビーストたちとともに、孤高のアルバム制作を試みる……。

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REVIEW

真木よう子(俳優)

かつて、幼い頃に神秘的な馬の観劇にいった時のことが脳裏に甦った。
己だけがわかる作品にしたくなる。
簡単に時代背景等を齧った人とは、この気持ちの共有を遠慮したい程。
それ程までに特別で、台詞以外の映像や音楽や表情で心情を揺さぶられた初めての芸術作品だ
有名な画家の様に創造者亡き後の評価にならない事が嬉しい。

ダースレイダー(ラッパー/映画監督)

腐敗した政治、堕落したモラル。そんな灰色の影に覆われたつまらない日常を生きるアンドレスの傷口(くちびる)から漏れ出す音のなんと色鮮やかなことか。音楽がミュージシャンの元にやってくる感覚が優しく、儚く描かれていく。

荻野洋一(映画評論家/番組等の構成・演出)

78分の上映時間のあいだに87カットしか持たないこの映画がかもす音楽と空間性の調和は、見る者の心をひたすらにとろけさせる。

小川あん(俳優)

なんだろう......この映画全体の漂う雰囲気、空気感。 ダリやマグリットのようなシュルレアリスムの絵画を鑑賞したときと似通った感覚を味わった。

吉岡正晴(音楽ジャーナリスト)

多くの余韻とスペースを持つこの作品は、ひょっとしてハイパー・インフレ、政治の腐敗が進むベネズエラにおける批判も含めた「白昼夢」のようだ。

佐々木敦(批評家)

バンドメンバーと袂を分かったアンドレスは、たぶん彼の脳内存在である鮮やかな黄色の衣をまとった顔のない「ビースト」たちと録音を行う。どちらかといえばリアリズムのこの映画において、そこだけ奇妙にファンタジックなのだが、かといって特別すごいことが起きるわけではない。そして、そこが良いのである。

ハビエル・ガルシア・プエルト(タリン・ブラックナイト映画祭)

予測不可能な雰囲気に、心地良さすら感じさせる。本作のフリースタイルなテンポ感は、観客に新たな経験をもたらすだろう。

ディエゴ・バトル オトロス・シネス

ラテンアメリカ文学の伝統を継いだ悲喜劇のトーンで描かれた本作は、ベネズエラ映画の新たなる鉱脈を見事に切り拓いた。

filmaffinity

ユーモア、ドラマ、音楽、ファンタジーに連なる社会批評性。へスース・ヌネス演じる主人公アンドレスは、政治経済が不安定なベネズエラの典型的な若者の姿を象徴している。

ベネズエラ映画史上、最高傑作。

Filmin

軽妙かつ抒情的な画作りと、繊細さに満ちたドラマ。

nalknalk

テオ・アンゲロプロスからの影響が、色濃く残されている。
収賄に手を染める警察(Matraquear)、職務を放棄した官僚、そして生き残る道を模索する末端の若者たち。作中のありとあらゆるものが、2016年にベネズエラで起こった事実に基づいている。
映画と、音楽。市民に残された最後の自由たる娯楽まで、政権に渡してはならない。これは逃亡者の狂騒などではない、歴然とした《新しいベネズエラ映画》だ。

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DIRECTOR

【PROFILE】

1986年生まれ、ベネズエラ・カラカス出身。

スペイン・バルセロナでストップモーション・アニメーションや映画撮影を学び、MV・コマーシャル監督として映像制作のキャリアを積む。

初長編映画『博士の綺奏曲』はタリン・ブラックナイト映画祭2021のコンペティション部門でワールドプレミア上映を迎え、2023年にはロカルノ国際映画祭のオープンドアに選出。同作はCinema Tropicalが選出する「2021年最高のラテンアメリカ映画」として賞賛された。

【INTERVIEW】

──本作の脚本は2016年に完成し、2017年に撮影が行われたそうですが、当時のベネズエラは経済危機が特に激しい時期でした。撮影にはどのような影響がありましたか?

ニコ:本当に大変でした。私たちのプリプロダクション(映画などの映像制作における、撮影前の準備作業の総称)の打ち合わせはデモ活動中に行われました。制作の進捗を確認するために早朝5時に会わなければならず、その後一度帰宅してから7時のデモ活動に参加していました。
くわえてハイパーインフレの発生が、事態をさらに困難にしました。私たちが予算として確保していたボリバル(ベネズエラ紙幣)の価値は日を追うごとに暴落し、撮影期間が延びるほど悪化していきました。
本作のイメージカラーである明るい黄色は当初、ベネズエラの生地店「エルカスティージョで、衣装監督のルシア・ダオがチョイスしました。しかしながら当時は自国の紙幣価値が暴落し、ドルに換金しなければ買い物がままならない状況でした。結局、より彩度の高い黄色い生地で衣装を作り、ポストプロダクション(撮影後の仕上げ作業の総称)で色味を調整した結果、本作独特の世界観が生み出されました。
全ては困難な状況下で生まれた、偶発的な創造だったんです。

 

──「ビースト」が象徴するものは何でしょうか?ビーストたちのビジュアルは野生的なイメージを受けましたが、最終的には彫像のようにも見えました。

ニコ:そうですね、修道女のようにも見えますね。
私たちは太陽の光、そよ風、自然を体現する流動的な音楽のしなやかさを「ビースト」を通し視覚的に表現したかったのです。これらの要素にマッチする様々なイメージをブレインストーミングし、コンセプトを立てました。顔がなく、物理的な身体性を感じさせないものにしたかったのです。音楽が、外見のない抽象的な芸術であるのと同じように。
ビーストを通じて、「動物でありながら顔がない」というアイデアを遊び心をもって表現することができました。現在のポップミュージックでは、音楽が表現者の美しい顔やダンスなどの身体性に結びつけられる必要があるという考えが広まっています。しかし、音楽の本質はより抽象的で、外見よりもはるかに大きい概念であると信じています。

 

──本作は世界の映画祭でどのように受け止められましたか?アルゼンチン・エストニアなど、ラテンアメリカでの上映はすでに行われましたが、より広い世界の観客からの共感は得られましたか?

ニコ:本作はさまざまな観客にアピールできる層をいくつも持っていて、タマネギのように多層的な構成となっています。物語の核となるのは、普遍的に共感できる物語です。自分自身の情熱に完全に身を捧げることができないものの、それを支えるために日中仕事をせざるを得ない人物についての物語です。世界中の人々が共感するでしょう。
しかし、現在の通貨交換管理の問題など、ラテンアメリカの国々以外の観客には、私たちの状況が認知されていない部分も多く存在します。主人公が外貨両替でドルを手にしようとする場面がありますが、政府の規制により通貨の名前を挙げることができません。ラテンアメリカの国々の観客は皆同じような出来事を経験しているので、ジョークを理解してもらえるでしょう。
それでも、『博士の綺奏曲』は国内外で好評を博しており、私たちはそれをとても誇りに思っています。

 

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脚本・撮影・監督:ニコ・マンサーノ

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